10月30日に行われた札幌市議会第一部決算特別委員会で、苗穂駅周辺地区まちづくり計画に関する質問が行われました。
地域住民と地元企業から成る苗穂駅周辺まちづくり協議会の意見をもとに、市が作成した苗穂駅周辺地区まちづくり計画の進捗状況と今後の課題と取り組みについて、意思決定の目途や地域との協議・連携については西村茂樹委員(民主党)が、苗穂駅移転の駅北側に及ぼす効果やネットワーク道路、駅前広場計画などの整備計画については阿知良寛美委員(公明党)が質問し、札幌市市民まちづくり局の宮浦哲也都市計画部長が答えました。
(1)苗穂駅周辺地区まちづくり計画の進捗について
●宮浦部長は費用負担の問題からJR北海道との協議が進展していない状況を説明し、大きく3つの課題を指摘。
@JR北海道との合意形成
事業を本格化させるには、JR北海道に駅舎移転について意思決定してもらい、JRとの合意の下、駅舎の位置や概要、北側にあるJR研修センター移転も含めて協議していくことが必要になる。
A財源の確保
苗穂駅は駅舎を移転した上で橋上化させるため、国庫補助事業など新しい手法を検討していかなければならない。
B地域との連携
苗穂地区のまちづくり活動は、これまで地域住民を母体に企業が参加し、広がりを見せている。札幌市としては、地域によるまちづくりの取り組みモデルとなる活動を今後更に発展させ、地域全体へと広げ、事業実現に向けた課題も共有しながら、まちづくり協議会を中心に、地域との連携を更に推し進めていく必要がある。
●JR苗穂駅移転に係る意思決定は平成22年度を目指す
JR苗穂駅移転に係る意思決定の目途については、次の見解が得られました。
@JR苗穂駅の1日平均利用客は6,300人(平成18年度調べ)で、アリオ札幌がオープンした平成17年頃から増加傾向にある。将来は1万人程度になると見込まれ、1日平均利用5,000人以上の旅客施設では、交通バリアフリー法に基づき、バリアフリー化を進めなければならない。
A市はJR北海道との最終的な合意を形づくる時期を交通バリアフリー法に基づく補助が得られる平成22年度を目標に、駅舎移転に伴う民間再開発など民間投資につながる整備計画を策定する考え。
(2)道路、駅前広場等の基盤整備と駅移転に伴う北側地区への効果について
●ネットワーク道路
駅舎移転と自由通路と合わせて検討しているネットワーク道路は、JRにより分断されている北側地区と、南側地区の北ガス跡地その周辺の再開発、そしてサッポロファクトリーをつなぐ重要な交通動線であり、歩行者に配慮した都市計画道路として整備を目指して検討を進めている。
●JR苗穂駅北口駅前広場
北口駅前広場は、現在のJR研修センター辺りと想定されていて、アクセス道路は交通量などを踏まえながら幾つかの案で検討している。
●道路整備や苗穂駅移転に伴う効果
ネットワーク道路の整備やJR苗穂駅の移転に伴い、現在南北地区をつなぐ数少ない道路であり、一方では国交省により【開かずの踏み切り】に指定されている東9丁目JR踏切の課題解消に向けた検討が具体化することとなる。
東9丁目踏み切りは、安全性の面からも解消に向けた検討が必要と認識。取り扱いに付いては地域の方々と合意形成が不可欠でワークショップの場などで検討していきたい考え。
(写真左: 質問に立つ阿知良委員 写真右: 質問に立つ西村委員)